ジョンハンターというのは、イギリス人の解剖学の開祖です。1800年代のイギリスでは、解剖学が盛んに行われていました。また、人権がとても軽く扱われていたため、ちょっとした犯罪でもすぐに死刑になり、今より死体が簡単に手に入ったらしいです。(遺族と解剖学者が死体を奪い合って乱闘になっていたそうです)
このジョンハンターは、解剖学教室繁盛のために、墓荒らしといった非合法な方法も行いつつ、死体を入手していたそうです。
このジョンハンターには兄がおりまして、ウイリアムハンターといいます。実は、もともと兄が解剖学者をやっていて、弟のジョンは死体解剖を手伝うために兄から要請で墓荒らしを行って死体を入手したそうです。
兄から頼まれた墓荒らしを、弟のジョンがどんどん実行していくうちに、ジョンはいつの間にか墓荒らしグループのリーダーになってしまいました!また、兄のウイリアムは、弟の集めてきた死体の手伝いをさせるために、弟に解剖学を叩き込みます。そうしていくうちに、弟のジョンは、解剖の腕がどんどん上がって、他の解剖学者よりも立派な解剖の標本を作るようになったらしいです。いつの間にか解剖学教室の講座も任されるようになったそうです。
ジョンはそのうち、墓荒らしなんかめんどくさいことはやめて、葬儀屋を買収するようになります。葬儀が終わると、葬儀屋に死体と石ころを交換させて、遺族が死体を見送っている間に、バレないように裏でこっそりと死体を適当なサイズに切り分けて持ち帰ったそうです。
持ち帰る時に、いっぺんに持ち帰ってはバレてしまいます。なので、その死体をカゴとか壺とかに入れてカモフラージュして家まで持ち帰るようにしたそうです。
そのカモフラージュしたバラバラの死体は、普通の郵便などを使って汽車や馬車などで郵送しました。これがバレなきゃよかったのでしょうが、結構な確率でバレてしまったそうです。汽車の中でバラバラ死体が発見される事件が相次いだそうです。
イギリスの新聞はこれが解剖の為とは思わず、ロンドンにえげつない変態殺人鬼がいるという風に報じます。ロンドンにいる市民も、これを面白がって、ロンドンはすごく怖い街だというような噂や、小説などをたくさん作りました。
18世紀のロンドンで怪奇小説が流行ったり、イギリスがミステリーの本場になったというのは、実はこの当時のジョンハンターの死体入手が誤解されて新聞ですごく広まったことが原因だそうです。ちなみに、「ジキル博士とハイド氏」の小説の元ネタはこのハンター兄弟だそうです。
この兄弟の元にある時、新鮮な妊婦の死体が手に入ります。この死体にウイリアムは大変驚き、「妊娠の各段階を解剖した論文を発表しよう」と意気込みます。しかし当然、妊娠の各段階を表した妊婦の死体などそう簡単に手に入るものではありません。では、どうしたのでしようか…
そう、そのまさかです。ジョンは、死体集めの手先たちに、妊婦の死体が欲しいと持ちかけました。賞金まで用意したそうです。そうすると、いつの間にか、入手経路のわからないような妊婦の死体がたくさん手に入っていったそうです…
もうなにがなんだか😫善悪がわかんなくなります。医学は死屍累々ですね。しかしそのお陰で近代医学が発達したのは事実です。多くの死体の山の上に近代医学の進歩が獲得されたわけです。
今、僕らはまさにご遺体を使った解剖の真っ最中です。毎回この解剖を最初に行った人は一体どんな人物なんだろう?と思っていました。医学の開祖は殺人鬼でもあり偉大な学者です。よほどの天才サイコパスじゃないと解剖なんて進んでやりませんよ!
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